iPad mini(A17 Pro)は2024年10月に発売された最新のコンパクトiPadです。
ファンの多いiPad mini(第6世代)の後継モデルということで、使い勝手などが気になる方は多いのではないでしょうか。
当ブログでもハンズオンレビューをお届けしましたが、その後1ヶ月ほど使用しましたので、今回は本格的なレビューをお届けします。
ベンチマークスコアや各種検証結果のほか、iPad mini(A17 Pro)を使って分かったメリット・デメリットなどを紹介します。
iPad mini(A17 Pro)の購入を検討している方はぜひご覧ください。
スマホ系ライター・ガジェットブロガーのShinoです。
X(旧Twitter)・Instagramもあります!
- コンパクトさはやっぱり唯一無二の魅力
- 普段使いで困ることはない高い処理性能
- スピーカーの音質が良い
- Apple Pencil Proが使える(個人差あり)
- Apple Intelligenceが使える最安端末
- ディスプレイ性能が物足りない
- インカメラが短辺にある
- ハードな作業には向かない
iPad mini(A17 Pro)の発売日・スペック
iPad mini(A17 Pro)は2024年10月23日に発売されました。前モデルのiPad mini(第6世代)から数えると、約3年ぶりの新作投入です。
コンパクトなサイズ感やデザインはファンの多いiPad mini(第6世代)を踏襲し、SoCをA17 Proに変更することで性能向上を果たしました。
カラーはブルー、パープル、スターライト、スペースグレイの4色、ストレージは128GB・256GB・512GBが用意されており、Wi-Fiモデルとセルラーモデルから選ぶことができます。
国内ではアップルストアのほか、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯キャリアでも購入可能です。
詳しいスペック表はこちら
ストレージ | 128GB、256GB、512GB |
---|---|
カラー | ブルー、パープル、スターライト、スペースグレイ |
SoC | A17 Proチップ |
本体サイズ | 195.4 x 134.8 x 6.3 mm |
重量 | Wi-Fiモデル:293g Wi-Fi + Cellularモデル:297g |
ディスプレイサイズ | 8.3インチ |
ディスプレイ仕様 | Liquid Retinaディスプレイ 500ニトの輝度 リフレッシュレート60Hz |
バッテリー容量 | 19.3Wh |
生体認証 | Touch ID |
背面カメラ | 広角:12MP広角カメラ、f/1.8絞り値 |
iPad mini(A17 Pro)を開封!外観と付属品をチェック
まずはiPad mini(A17 Pro)の付属品や外観をチェックしていきましょう。
iPad mini(A17 Pro)の付属品
iPad mini(A17 Pro)の付属品はかなりシンプル。各種書類とUSB Type-Cケーブル、20W充電器のみです。
これまでのモデルに付属していたアップルロゴシールは入っていません。
また、iPad mini(A17 Pro)の充電速度は最大20Wになっているため、付属充電器で十分な速さの充電が可能です。
ただ、サードパーティ製充電器の方がサイズがコンパクトなので、携帯製重視の方はサードパーティ製の充電アダプターを買うことをおすすめします。
iPad mini(A17 Pro)の外観・デザイン
今回レビューしているのはiPad mini(A17 Pro)のスターライト。
若干黄色っぽさが加わったシルバーという感じの色味です。
基本的な形状やデザインは従来のiPad mini(第6世代)から変更されていません。
マットなアルミ筐体で側面はフラットな形状。中央のアップルロゴは鏡面仕上げです。
背面下部の製品名の部分は「iPad mini」となっています。前モデルは「iPad」でした。
カメラはシングルカメラで、シンプルな見た目となっています。
出っ張りは1mm程度です。フラットの方が使いやすいですね。
背面から見て左側面はApple Pencilのマグネット部分があり、磁気充電が可能です。
上部にはスピーカー穴と各種ボタン。
左側が音量ボタン、右が電源ボタンです。
電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねているので、光沢のある質感となっています。
ちなみに、同じくセンサー内蔵のiPhone 16 Proのカメラコントロールのボタンと似た見た目です。
iPad mini(A17 Pro)のサイズ・重量
iPad mini(A17 Pro)の大きな特徴はやはりそのコンパクトなサイズ感。スペック値で195.4 x 134.8 x 6.3 mmです。
標準体型の成人男性であれば、片手で持つこともできます。
iPhone 16 Pro(6.3インチ)と比較するとこのサイズ感。
もちろんiPad mini(A17 Pro)の方が大きいですが、タブレットとして考えれば十分コンパクトです。
サイズ的にはA5サイズの手帳などに近いので、ポーチやサコッシュなどに入れて持ち運ぶのもラクラク。
重量は実測で292g。サイズから考えて特別重いことはなく、持ち運ぶ際も煩わしさを感じることはありませんでした。
ただ、片手で持って長時間何かを閲覧する際はさすがに疲れるので、両手で持ったり、スマホリングを活用したりすることをおすすめします。
iPad mini(A17 Pro)の処理性能
iPad mini(A17 Pro)は製品名の通り、A17 Proチップを搭載しています。iPhone 15 Proと同じSoCです。
RAMは8GBとされています。ベンチマークテストの結果と、実際の使用感で性能を紹介します。
ベンチマークテストの結果
今回はAntutu、Geekbench、3DMarkの3つのベンチマークテストを行いました。結果は以下のとおりです。
- Antutu V10:1,465,448
- Geekbench6:シングル2,906、マルチ7,065
- 3DMark(WildLife Extreme):3,049
いずれも十分ハイエンドと言えるレベルの、かなり高いスコアです。
ただ、同じチップを搭載したiPhone 15 Proよりは若干低い数字です。チップは同じでも細かい仕様には差が設けられている可能性がありますね。
また、3DMarkは20回ループのWild Life Extreme Stress Testを行いましたが、2回目以降のスコアはほとんど変わらなかったので、安定性は抜群です。
同じA17 Proチップ搭載のiPhone 15 Proシリーズは発熱がひどく、安定性の低さが不評ですが、iPad mini(A17 Pro)はiPhoneより筐体サイズが大きいので放熱効率がよく、安定性が高いのでは、と考えられます。
実際の使用感
多くの方がiPad mini(A17 Pro)で行うことの大半は、WebやSNS、動画などのインプット作業だと思います。
筆者もそういった作業を行いましたが、ストレスを感じることはありませんでした。発熱もほとんど感じません。
また、今回は試せていませんが、原神などのゲームを楽しむにもおすすめです。スマホより大きな画面で快適に楽しむことができるでしょう。
筆者がiPadで行う最もハードな作業はLightroomを使ったRAW現像。
露光やハイライト、露出といった基本的な調整作業では動作の引っかかりなどを感じることはほとんどありませんでした。
これくらいのクリエイティブ作業なら、iPad mini(A17 Pro)でも十分任せられます。
ただし、オブジェクト消去やプリセットの適用など、少し重めの作業になるとカクつきや反応の遅れがありました。
ゲームなどの用途ならほとんど問題ない性能ですが、画像や動画を扱った本格的なクリエイティブ作業を行う方は注意しましょう。
iPad mini(A17 Pro)のディスプレイ性能
iPad mini(A17 Pro)のディスプレイは8.3インチの液晶パネル。
解像度は2,266×1,488ピクセル、輝度は500ニトで、ディスプレイ仕様は前モデルのiPad mini(第6世代)から変わっていません。
ベゼル幅は1mm弱。
iPad mini(A17 Pro)の画面サイズから考えると、相対的には太いと感じますが、使っていて支障はありません。
リフレッシュレートも60hzのまま。90Hzや120Hzといった高リフレッシュレートに非対応なので、スクロールなどは特段滑らかという感じではありません。
正直なところ、iPad mini(A17 Pro)のディスプレイ性能には物足りなさを感じました。
液晶ディスプレイなので発色や明るさが物足りず、写真や動画を見ても色再現性が低いと感じました。
有機ELディスプレイのiPad Pro(M4)と比べると分かりやすく、iPad mini(A17 Pro)は黄色っぽく、暗く見えます。
iPad mini(A17 Pro)のディスプレイについての問題点は、noteの記事でも指摘しているので、良ければ合わせてご覧ください。
とはいえ、SNSなどの閲覧など、色味にそこまでこだわらない用途の場合は、問題なく利用できます。
明るさも屋内での利用であれば、困ることはほとんどありません。
iPad mini(A17 Pro)のバッテリー持ち
iPad mini(A17 Pro)のバッテリー容量は19.3Whとされています。スマホなどのバッテリー容量でよく使われるmAhに変換すると、大体5,200mAh前後です。
実際のバッテリー持ちを調べるため、Youtube動画を1時間再生し続けたところ、バッテリーの消費量は17%でした。
最近のハイエンドスマホで同様のテストを行った場合、5〜7%前後の消費なので、iPad mini(A17 Pro)は消費量が多い部類と言えます。
ただ、実際に使っている分にはそこまでバッテリーの消耗が激しいということはありません。
おそらく、電力消費の激しい液晶ディスプレイを使って画面輝度最大で動画再生したため、バッテリー消費が激しかったと考えられます。
スマホやPCのサブ的な用途で使うなら、十分実用的なバッテリー持ちはあるので、そこまで心配する必要はないかと思います。
iPad mini(A17 Pro)の充電速度
iPad mini(A17 Pro)の充電速度は中国の認証情報から最大20Wとなっていることが判明しています。こちらも前モデルから変更されていません。
実際に計測してみても、速くて18〜19W前後でした。
実際に30分充電してバッテリー残量の推移を調べた結果が以下のとおりです。
時間 | 電池残量 | 増加量 | 充電速度 |
---|---|---|---|
スタート時 | 45% | ||
10分 | 55% | 10% | 16〜19W前後 |
20分 | 64% | 9% | 15W前後 |
30分 | 73% | 9% | 12〜13W前後 |
今回の検証では30分間で28%充電されました。スピードは安定しており、10分で10%前後回復するペースでした。
正直なところ、充電速度はあまり速くありません。最近はスマホなどで高速充電が発達している中、1分1%程度のスピードは遅いと言わざるを得ないですね。
ただ、iPhoneほど頻繁に充電するものではないでしょうし、使わない時間も多いでしょうから、その間に充電しておけば問題ないと思います。
iPad mini(A17 Pro)のスピーカー性能
iPad mini(A17 Pro)はステレオスピーカーを搭載しています。iPad Proのように4スピーカーではなく、2つのスピーカーを搭載しています。
実際に本体スピーカーで音楽などを聴いてみたところ、非常にクリアで広がりのある音質だと感じました。
音圧も筐体サイズの割にはしっかりあり、外部のスピーカーを接続せずともBGMなどを楽しむことができます。
Apple製品のスピーカー性能は比較的高いですが、iPad mini(A17 Pro)でも本体スピーカーで動画やゲームの音を楽しむことは十分できるでしょう。
使って分かったiPad mini(A17 Pro)のメリット
ここからは、iPad mini(A17 Pro)を実際に使って感じたメリットを5つご紹介。
コンパクトさはやっぱり唯一無二の魅力
iPad mini(A17 Pro)は前モデルに引き続き、タブレットとしては非常にコンパクトなサイズ感です。
どこにでも持ち運びたくなる携帯性の良さは、iPad miniにファンが多い理由と言えるでしょう。
その魅力はiPad mini(A17 Pro)でも同様で、小さめのポーチやサコッシュに入れてカフェなどに持ち運ぶこともできます。
MOBO Keyborad 2のような折りたたみキーボードなどと組み合わせれば、気軽に持ち運べる作業セットができあがります。
こういった使い方ができるのは、コンパクトかつ高い性能が備わったiPad mini(A17 Pro)だからこその魅力だと言えるでしょう。
普段使いで困ることはない高い処理性能
iPad mini(A17 Pro)は処理性能の高さも魅力です。
A17 ProチップはiPhone 15 Pro/Pro Maxと同じSoCなので性能が高く、少なくともインプット用途で使う分にはストレスを感じることはありません。
重めの3Dゲームも快適に楽しめる性能なので、スマホより大きな画面で快適にゲームを楽しみたい方にも十分おすすめです。
スピーカーの音質が良い
iPad mini(A17 Pro)を実際に使ってみて、本体スピーカーの音質が良いと感じました。
重厚感があるというよりはクリアで広がりが感じられやすい傾向の音質となっており、BGMを流しておくのにちょうど良いです。
スマホと比べると筐体が大きいことも、音の広がりに寄与していると考えられますね。
画面サイズ的に動画視聴などにも最適なので、本体スピーカーを使って映画やアニメを観たい方にもおすすめです。
Apple Pencil Proが使える(個人差あり)
iPad mini(A17 Pro)の数少ない前モデルから変更されたポイントの1つが「Apple Pencil Proが使えるようになったこと」です。
前モデルのiPad mini(第6世代」はApple Pencil(第2世代)対応でしたが、iPad mini(A17 Pro)は今年発売されたApple Pencil Proが使えます。
Apple Pencil Proにはいくつか機能が追加されていますが、その中でも特に重宝しているのがスクイーズ機能。
ペン先に力を入れるだけでツールパレットが呼び出せる機能です。従来よりもツールの切り替えがかなりスムーズになりました。
手書きでノートを取るときなどに非常に便利なので、学生さんなどにもかなりおすすめ。
ただ、Apple Pencil Proに対応したことでApple Pencil(第2世代)には非対応となってしまい、従来モデルから乗り換える方は買い替えが必要になりました。この点はデメリットとも言えるでしょう。
軽くメモを取るだけという方の場合、2万円以上するApple Pencil Proを買うハードルが高いと思うので、サードパーティ製のペンシルをチェックしてみましょう。
Apple Intelligenceが使える最安端末
Apple IntelligenceはAppleが提供するAI機能です。現在はアメリカ英語にて利用可能で、2025年中に日本語でも利用可能になります。
Apple Intelligenceが利用可能なモデルは、iPhone 15 Proシリーズ、iPhone 16シリーズ、Mチップ搭載のiPad・Macなどですが、A17 Pro搭載のiPad mini(A17 Pro)でも利用可能です。
Apple Intelligenceが利用可能な製品の中では、78,800円から購入できるiPad mini(A17 Pro)は最も安いです。
現状、日本語では写真アプリのクリーンアップしか使えないので、Apple Intelligenceの実用性は未知数です。
ただ、AppleはApple Intelligenceにかなり力を入れているようですし、テック業界全体でAIは標準的な機能になりつつあります。
その中で、Apple Intelligenceが使えるかどうかは、将来性を考えても重要なポイントです。
Apple Intelligenceの実用性が未知数だからこそ、少ない初期投資でApple Intelligenceが使えるiPad mini(A17 Pro)は、意外な観点からも魅力的なモデルと言えるかもしれません。
使って分かったiPad mini(A17 Pro)のデメリット
続いてiPad mini(A17 Pro)を使っていてデメリットだと感じたポイントも紹介します。
ディスプレイ性能が物足りない
iPad mini(A17 Pro)の最大のデメリットは微妙なディスプレイ性能です。
基本的な仕様は前モデルから全く変わっておらず、発色や明るさの面で物足りなさを感じました。
SNSやWebの閲覧といったインプット用途なら全く問題ないですが、写真や動画の編集などを行う場合は注意が必要です。
私が感じたデメリットの詳細や、他のモデルとの比較は以下のnote記事で紹介しているので合わせてご覧ください。
インカメラが短辺にある
iPad mini(A17 Pro)のインカメラは従来通り短辺に配置されています。この配置が、特に横画面でWeb会議などに参加する方にとってはデメリットになると感じました。
というのも、2024年発売のiPad AirやiPad Proはインカメラの配置が刷新され、長辺の中央に移動しました。
長辺にインカメラがあると、Web会議をするときに自分の顔が自然な形で中央に写るというメリットがあります。
短辺にある場合でも、センターフレーミング機能によって自動的に顔が中央に写るようになりますが、それでも若干斜めからの撮影なので違和感が生じます。
写り方をそこまで詳細に気にしないシーンであれば問題ありませんが、自分の顔を綺麗に写したい方は注意しましょう。
ハードな作業には向かない
iPad mini(A17 Pro)が搭載するA17 Proチップは非常に高性能ですが、ハードなクリエイティブ作業をするには向かないと感じました。
私がストレスを感じたのはLightroomでRAW現像する際の、プリセットの適用やオブジェクト消去のとき。
何枚も続けて行っていると、適用や消去に時間がかかったり、反応が少し遅れたりしました。
RAW現像でこの感じなので、4K動画の編集などはなかなか厳しいのではないかと思います。基本的にはインプット用途かゲームプレイをメインにした方が良いかもしれませんね。
iPad mini(A17 Pro)はどんな人、用途におすすめ?
iPad mini(A17 Pro)が最適な用途は、やはりSNSやWebの閲覧、電子書籍を使った読書、動画視聴などのインプット作業です。
持ち運びやすいサイズ感ながらスマホより大きいので情報量が多く、家でソファに座ってじっくり閲覧するのに適していると思います。
ペンシルと組み合わせてメモ帳的に使うにも便利ですね。
特に漫画は、横画面であれば見開きで読めるので快適です。
また、処理性能が高いのでゲームプレイにもおすすめ。ちょっとしたゲーム機感覚で楽しめるのが良いですね。
一方、デメリットで言及した通り、ハードなアウトプット作業には不向き。この辺りはMチップ搭載のiPad AirやiPad Proがおすすめです。
まとめ:ディスプレイだけ残念。「iPad mini Pro」が出れば最強
今回はiPad mini(A17 Pro)をレビューしました。
優秀な携帯製と高い処理性能は前モデルに引き続き魅力的で、気軽にインプット作業ができるタブレットが欲しい方には十分おすすめです。
一方、ディスプレイ性能は物足りない部分もあり、特に有機ELパネルに慣れている方は注意が必要です。
60Hzのリフレッシュレートも微妙だと感じることがあったので、高リフレッシュレート対応、有機ELパネルとMチップ搭載の「iPad mini Pro」が出れば最強だと感じました。
とはいえ、そういった部分を削ることで、78,800円から購入できる安さが実現されていると思うので、価格を抑えつつ、高性能で使いやすいiPadが欲しい方はぜひチェックしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ラゴモビでは他にもスマホなどに関する記事を公開しています。良かったらもう1記事読んでみてください!
コメント