iPhoneは有線充電のほか、MagSafeやQi2といったワイヤレス充電にも対応しています。
2024年9月発売のiPhone 16シリーズでは、MagSafeの充電速度が最大25Wに向上し、これまでより速く充電できるようになりました。
ただ、実使用における速度がどれくらいかは気になりますよね。
ということで今回は、実際にiPhone 16 Proを使って各充電方式の充電速度を検証してみました。
有線充電、MagSafe充電、Qi2の3つの方法について実機で検証しているので、ぜひチェックしてみてください。
スマホ系ライター・ガジェットブロガーのShinoです。
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iPhoneの充電方式は主に3つ
iPhoneの充電速度は大きく分けて3つ。
- 有線充電
- MagSafe
- Qi2
有線充電は「iPhone 16シリーズで45Wに向上か」と言われることもありますが、実際のところは不明。
後述の検証で実際の速度がわかります。
MagSafeの速度はこれまで最大15Wでしたが、iPhone 16シリーズで25Wに向上。Qi2だと最大15Wのままです。
ということで、実際の検証結果を見ていきましょう。
実際に充電速度を検証
今回検証した充電方法は4つ。
- 有線充電+67Wアダプター
- MagSafe+純正30Wアダプター
- MagSafe+他社製30Wアダプター
- Qi2充電
iPhone 16 Proにて、それぞれの方法で30分間充電し、バッテリー残量の推移などを検証しました。
充電周りのおすすめのアクセサリーも紹介しているので合わせてチェックしてみてください。
有線充電+67Wアダプター
まずはUSB Type-C端子を用いた有線充電の速度から。
今回充電に使用したアイテムがこちら。
Anker 525 Charging StationはType-A端子とType-C端子が2つずつ、背面にACコンセントが3つ搭載された充電ステーション。
今回はType-C端子1つで検証したので、最大出力67Wのアダプターを使ったのと同じ状態です。また、今回は計測器を使って充電速度も測ってみました。
実際に30分間充電を検証した結果、充電と充電速度の推移は以下の通りでした。
時間 | 電池残量 | 増加量 | 充電速度 |
---|---|---|---|
スタート時 | 47% | 18〜20W前後 | |
10分 | 62% | 15% | 12〜15W前後 |
20分 | 74% | 12% | 10W前後 |
30分 | 81% | 7% | 7〜8W前後 |
iPhone 16 Proの場合、30分間で充電できたのは合計で34%でした。iPhoneは大体1分で 1%充電できるイメージなので、その通りという感じですね。
充電速度もちょくちょく確認しましたが、最も速かったのは序盤で18〜20W前後まで出ていました。
「iPhone 16シリーズの45W充電は現状ソフト側で塞がれているのでは」という声も目にしますが、やはり45Wは出ていないというのは事実でしょう。
今後のアップデート次第ということですが、現時点では有線でもそこまで充電速度は速くなく、従来通りな感じとなっています。
充電終了後の端末の温度は36℃前後でした。
MagSafe+純正30Wアダプター
続いて、注目の25W MagSafe充電ができるという、純正のMagSafe充電器と30Wアダプターの組み合わせ。
一応、使用したアクセサリーの詳細をご紹介します。
充電の推移は以下の通りでした。
時間 | 電池残量 | 増加量 |
---|---|---|
スタート時 | 23% | |
10分 | 39% | 16% |
20分 | 47% | 8% |
30分 | 56% | 9% |
30分間でiPhone 16 Proの充電残量は33%増えました。30分間だと充電できた量自体は先ほどの有線充電とほぼ同じです。
有線並みの速さが出ており、MagSafe充電の速度が25Wに向上したのは事実だと思われます。
また、30分間充電した後の端末の温度は40℃前後でした。有線充電と比べると少し温度高めですね。
MagSafe+他社製30Wアダプター
続いて、純正のMagSafe充電器と他社製の30Wアダプターの組み合わせです。
サードパーティ製のアダプターでも25WのMagSafe充電ができるか、という検証ですね。今回はUGREENの30W充電器を使用しました。
充電の推移は以下のようになりました。
時間 | 電池残量 | 増加量 |
---|---|---|
スタート時 | 38% | |
10分 | 54% | 16% |
20分 | 63% | 9% |
30分 | 74% | 11% |
30分間でiPhone 16 Proの電池残量は36%増加。なんと先ほどの純正アダプターや有線充電よりも速く充電できています。
もちろん、充電速度は環境などに左右されるので一概に「他社製アダプターがいい」わけではないものの、「純正アダプターにこだわる必要は無い」とは言えるでしょう。
Apple純正の30Wアダプターはかなり大きいので、今回使用したUGREENやAnkerなどのメーカーのコンパクトな充電アダプターを使用することをおすすめします。
Qi2充電
最後にQi2規格の充電器でも検証を行いました。
Qi2とは、Apple以外のメーカーも含めたオープンなワイヤレス充電の規格です。MagSafeの技術を応用しているので、MagSafeと同様に磁力でスマホの背面にくっつけて充電します。
iPhoneをQi2で充電した際の最大速度は15Wとされており、25Wにアップデートされる前のMagSafeと同等です。
今回使用したQi2充電器はこちら。
正面にQi2充電パッド、背面にType-A×2、Type-C×2、AC差込口×3が付いた充電ステーションです。
今回は、背面のポートなどは一切使わず、Qi2だけ使う形で検証しました。充電の推移は以下の通りです。
時間 | 電池残量 | 増加量 |
---|---|---|
スタート時 | 49% | |
10分 | 60% | 11% |
20分 | 66% | 6% |
30分 | 69% | 3% |
30分間の充電量はちょうど20%。やはりMagSafeより充電速度が遅いことが分かります。
Qi2の20%と、MagSafeの33〜36%を比べると大体1.65〜1.8倍の差があります。
Qi2の最大速度とされる15Wを1.65〜1.8倍すると、24.75〜27Wになるので、やはりiPhone 16シリーズではMagSafeで25W充電ができていると見られます。
ちなみに、Qi2で30分間充電した後のiPhone 16 Proの温度は40〜41℃前後でした。MagSafeの40℃と比べれば誤差レベルなので、発熱の面で優劣は特にありません。
iPhoneの充電速度はどれが良い?
今回の検証結果をまとめると以下のようになります。
- 現状、iPhone 16シリーズでも有線充電で45Wは出ない
- MagSafeで25Wは出る(他社製アダプターでも)
- 場合によっては、有線とMagSafeに速度の差はほとんど無い
- Qi2は従来通り15W
もちろん、お持ちの充電アイテム次第ではありますが、個人的におすすめの充電方法はやはり25Wに進化したMagSafe。
ワイヤレスなので有線充電より取り回しが楽ですし、速度的にも十分満足できるレベルになっています。
iPhone 16シリーズを購入した方は、これを機にMagSafe充電アイテムを揃えてみてはいかがでしょうか?
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